愛猫がトイレでうんちやおしっこをしないのに、トイレで出たり入ったりして何をしているのかな
排泄以外でトイレを出入りする理由が知りたいな
今回は、こんな疑問にお答えします。
猫がトイレに何度も出たり入ったりを繰り返し、時には鳴くこともある行動を目の当りにした飼い主さんも多いでしょう。
きれい好きな猫がトイレに入って排泄する様子もないのに、雑菌の繁殖しやすいトイレになぜ出たり入ったりするのか、不思議な行動と感じるかもしれません。
では、トイレに何回も出入りする原因は何か知りたいですよね。
原因は多岐にわたりますが、泌尿器系の病気を発症しているかも。
病気を放置すると、早い段階で命を落とすような危険な病気も含まれますので、行動をしっかり観察して対応していきましょう。
猫がトイレに出たり入ったりする7つの理由
トイレが好みじゃない
猫がトイレでうんちやおしっこをしたいのに、トイレ環境が落ち着かないことがあります。
理由はいろいろあり、トイレ自体が汚れている場合やトイレ本体の形状や大きさ・猫砂の種類が好みではないときに見られる行動です。
まずはトイレ環境を整えるためにトイレ本体を丸洗いし、新しい猫砂に変えてみましょう。
トイレ環境を整えてもトイレで排泄しない場合は、猫砂の種類やトイレの形をかえてみるなどトイレ環境を変えて様子をみてください。
注意するのは、24時間以上排泄がない場合は、病気の可能性が高いため、動物病院の受診を推奨します。
詳しくは「猫がトイレで排泄しない7つの原因|子猫のお迎え初日も注意」の記事内でご紹介しています。
ストレスが溜まっている
食欲もあり元気なのにトイレを出たり入ったりして排泄しないときは、ストレスがたまっている可能性が高いです。
いつも過ごしている環境に少しの変化があるだけで、ストレスを感じ落ち着かなくなることも。
猫は敏感な動物だから、外で強風や雷などの音が聞こえるだけでも、ストレスに感じやすい
トイレに入っている猫砂の量が少ないときは、排泄したうんちやおしっこを隠せないと考え、落ち着きがなくなることもあるように、ストレスの原因も多岐にわたるのです。
ストレスが原因で膀胱炎を発症することもありますので、ストレスになりそうな出来事に思い当たることがあれば、しっかりケアしていきましょう。
【病気】膀胱炎
猫の膀胱炎といっても、尿道から細菌が入って炎症が起こる「細菌性膀胱炎」と、原因がわかっていない「特発性膀胱炎」の2種類あります。
猫には「特発性膀胱炎」が多く確認され、症状として””膀胱におしっこが溜まっているような残尿感がある”ため、トイレへ出たり入ったりする回数が増えるのです。
猫の平均的な排泄回数は1日に2~3回と言われていますが、個体差もあるため目安にしてください。
早期に気づくためには、排尿回数やおしっこの状態を確認し管理する必要があります。
【病気】尿路結石
尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)に結石が出来てしまい、排泄時に痛がるそぶりや排泄後におしりの周りを過剰に毛づくろいする行動がみられる場合、尿路結石の可能性が考えられます。
おしっこの濃度が高くなると、腎臓・膀胱・尿道に結石ができやすいです。
結石が粘膜を傷つけることで血尿がでることも多く、赤・オレンジ・茶色・錆色のおしっこを排泄することも。
血尿が出ると重症と判断し、緊急を要しますので、すぐに動物病院を受診してください。
猫は普段から水分摂取量が少ないので、結石ができやすい動物です
ドライフード中心のごはんなら、お水も飲んでくれるような工夫も大切
お水の入ったお皿を猫の通り道沿いに2~3個設置して、いつでも新鮮なお水が飲めるようにする方法もあります。
【病気】尿道閉塞
尿道を結石・腫瘍・異物などで完全にふさいでしまう病気です。
尿道閉塞になると、”膀胱におしっこが溜まっていても体外へ放尿することができない、あるいは1滴ほどしかおしっこが出ない”症状がみられます。
食欲不振でトイレに入っても、ぐったりしていることが多いため、かなり危険な状態。
おしっこが全くでない時間が24時間以上経つと、尿毒症になり命を落とす可能性がでてきます。
尿道閉塞になる前の尿石症の段階で異変に気づけるように、日頃から健康チェックは大切だよ
尿道の細いオス猫や肥満気味の猫は発症しやすいため、、特に注意が必要です。
【病気】尿毒症
24時間以上おしっこが出ない状態が続くと、老廃物や有害物質が血液中に溜まってしまい、短い時間で命を落とす可能性がある大変危険な病気です。
尿毒症は放置すると、どんどん悪化していきます。
泌尿器系の病気になると発症するリスクが高くなるため、上記のような症状がみられた場合は動物病院で即受診してください。
【病気】巨大結腸症
便秘症状が続くと、結腸に異常な拡張肥大化が見られ、うんちがどんどんたまっていく病気です。
長時間溜まっているうんちの水分が吸収されて硬くなることで、排泄がむずかしくなるため結腸が巨大化することから「重症化した便秘」とも言われます。
巨大結腸症の症状としては、”肛門のまわりにネバネバしたものが付着””したり、”ゼリー状の下痢うんちが出た”りします。
便秘の一種なので、おなかが膨らんでみえることも
巨大化した結腸は、蠕動運動(ぜんどううんどう)※が弱まり、さらにうんちを排出することが難しくなるのです。
※蠕動運動(ぜんどううんどう):胃で消化した食べ物を移動させて体外へ排出する動きのこと。
健康な成猫だと、1日に1回以上はうんちをすることを目安に、2日以上うんちが出ていない場合は、動物病院の受診を推奨します。
猫がトイレに入るけど排泄しないで出てくるのはなぜ?疑問を解消!
猫がトイレに出たり入ったりするとき4つの確認すること
うんちやおしっこが排泄されているか
トイレに出たり入ったりを繰り返していて、おしっこがでていれば、おしっこの色を確認しましょう。
血のような赤・オレンジ・茶色・錆色だった場合は、泌尿器系の病気を発症した可能性が高いです。
排泄する体制で何もでていない場合も、病気が隠れている可能性が高いため、動物病院の受診を推奨します。
トイレで排泄する姿勢で鳴くことがあるか
おしっこやうんちをしようと排泄する体制のとき、痛そうな鳴き声を出す場合は尿路結石を発症しているかもしれません。
結石を放置すると最悪の場合、短時間で命を落とすこともある危険な病気です。
早急に動物病院を受診しましょう。
トイレは清潔にしてあるか
きれい好きな猫にとって、汚れているトイレでの排泄を嫌がります。
人より数倍も臭覚がすぐれているため、飼い主さんが「そんなに臭くないな」と思っても、猫にとっては強烈なニオイかも。
トイレで排泄が出来なくなるとストレスを感じ、トイレ以外の場所で粗相や我慢することで膀胱炎などの病気を発症する可能性が出てきます。
トイレに行くということは、トイレで排泄する意思はあるのです
他の症状がみられなければ、トイレ本体を丸洗いして新しい猫砂に変え、トイレ環境を清潔にして様子をみましょう
ストレスを感じていないか
小さなことでも敏感に察知する猫は、何気ないことでストレスを感じ溜まりやすい動物です。
例えば、
他にもまだありますが、些細なことで猫はストレスを感じ、落ち着けない状態だとトイレで排泄することを嫌がります。
ストレスは元から断ち切ってあげないと、本当の解決とは言えません。
「あれ?ストレスを感じてるのかな?」と思ったら、原因を調べてストレスの不安を取り除いてあげましょう。
猫が病気にならないための予防法 4選
トイレは清潔にする
排泄を我慢することで、泌尿器系の病気の発症リスクを高めます。
トイレは常に清潔に保ち、猫が気持ちよく排泄できる環境を心がけてください。
トイレは雑菌が繁殖しやすい場所。
最低でも1ヶ月に1回はトイレ本体を丸洗いし、新しい猫砂に変えてあげましょう。
トイレ本体の丸洗い方法などについては、下記の記事でご紹介しています。
猫のトイレ砂を全量交換する時頻度とは?飛び散る・食べるの対処法!
トイレの設置数や設置場所はストレスがかからないようにする
猫トイレの数は、基本的に猫数+1個が望ましく、多頭飼いの場合は猫数+2~3個を準備するのが一般的です。
トイレの理想の設置場所は、猫がリラックスして排泄できる場所でいて、飼い主さんの目が届く範囲内になります。
人の動線上やにぎやかな場所はできるだけ避けましょう。
いつも新鮮な水が飲める環境をつくる
猫の先祖は砂漠で生活していたため、その名残で多くの水を摂取しなくても生きられる動物です。
このことからもわかるように、猫の体が水分を多く必要としていません
水の摂取量が少ないため、おしっこの濃度が濃くなってしまい、腎臓に負荷をかけています
摂取量が少ないから便秘にもなりやすいのは、うなずけますね
普段のごはんにドライフードを与えている場合、水は飲まないといけませんが、嫌がる猫に無理やり飲ませるのは難しい。
このお悩みには飼い主さんの工夫次第で解決します。
例えば、
- 猫の生活空間内に複数の水飲み場を作って、いつでも水が飲める環境を作る
- 冬場は人肌ほどの白湯を、夏場は氷を舐めさせたりと季節によって変える
ほんの一例ですが、猫がストレスなく水分摂取する方法を猫と一緒に考えることも楽しいですよ。
動物病院での定期健診(尿検査)をする
おしっこの採取は難しいですが、泌尿器系の病気を発症していないか、おしっこの状態を定期的に検査することはとても重要。
検査結果で病気の発症が確認された場合でも、早期発見の可能性があり、早期治療を行うことで健康寿命をのばすことにつながります。
まとめ:猫がトイレを出たり入ったりする7つの理由
トイレを行ったり来たりするときは、トイレで排泄しているかを確認しましょう。
少しでも排泄がある場合でも、おしっこの色や排泄時に痛そうな鳴き声をだすことがあれば、病気の可能性が高いため、動物病院を受診してください。
ストレスがたまると膀胱炎になる可能性があり、結石ができやすい体質のため病気のリスクも上がります。
泌尿器系の病気は放置すると、命を落とすこともあります。
気になる症状をみつけたら、獣医さんに相談しましょう。
「病気かも!?」と思っても焦らず、早期発見・早期治療で猫の健康寿命を延ばしてあげてください。
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