今回は、ジブリ映画『耳をすませば』に登場する猫の名前について、ご紹介します。
”耳をすませば”の映画には、3匹の猫が登場しますが、それぞれの猫に名前が付けられています。
ジブリ映画といえば、宮崎駿監督や鈴木敏夫プロデューサーの、”伝えたいメッセージ”が込められることで有名です。
そのため、ストーリーを追うのに必死で猫の名前まで…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
(私もその中の一人です。笑)
そこで、ジブリ映画『耳をすませば』に登場する猫の名前や関連することについて、ご紹介していきます。
耳をすませばの猫の名前はなに?
”耳をすませば”に登場する猫の名前は、次の3匹です。
- ”地球屋”のおじいさんが持っている人形『バロン』
- 電車に乗って自由に移動する『ムーン』
- バロンの恋人で白猫の人形『ルイーゼ』
3匹の名前について、カンタンに解説します。
①”地球屋”のおじいさんが持っている男爵姿の人形『バロン』
”地球屋”のおじいさん(=西史郎)が持っている男爵姿の人形の本当の名前は、『フンベルト・フォン・ジッキンゲン伯爵』(以下:バロン)です。
『バロン』は愛称で、地球屋のおじいさんは、本名の『フンベルト・フォン・ジッキンゲン伯爵』と呼んでいました。
”ジッキンゲン”は、ドイツで13世紀から続く由緒ある貴族の家柄です。
”バロン”は、フランス語で【男爵】という意味なんだって‼
『バロン』は、おじいさんの宝物のようだニャ♪
猫種については公表されていませんが、”逆三角形の顔・アーモンド型の大きな目・三角の耳”から、【アビシニアン】ではないかと推測されます。
ちなみに、悲しそうにも見える表情と夕日を浴びてキラキラ輝く瞳は、メラルドの原石(緑柱石)を含む鉱物でできています。
光が当たるとキラキラ輝く理由は、職人が人形を作る過程で偶然、瞳に細かい傷をつけてしまったためです。
②電車に乗って自由に移動する『ムーン』
電車に乗って自由に行き来し、主人公:雫を”地球屋”まで案内する猫の名前は、『ムーン』です。
満月のような外見から、天沢聖司が名付けました。
『ムーン』は野良猫のため、他の家ではそれぞれ違う名前がついています。
- オタマ
- ムタ
猫種については公表されていませんが、モデルとなった猫から、二種類の毛色を持つ【ブチ猫】ではないかと推測されます。
ちなみに、原作では黒猫の設定ですが、ジブリ映画で”黒猫=ジジ”が浸透しているため、猫種を変えたと公式で発表されています。
たしかに、黒猫のキャラが被ると、まぎらわしいニャ💦
黒猫”ジジ”については、こちらの記事『魔女の宅急便ジジが話せなくなる理由』もご覧ください。
③バロンの恋人で貴婦人姿の人形『ルイーゼ』
バロンの恋人で『ルイーゼ』と呼ばれる、貴婦人姿の人形の本当の名前はわかりませんでした。
『ルイーゼ』という名は主人公・雫が書く小説の中に出てくる白猫の名前で、バロン同様、本名があるのでは?と推測されます。
ちなみに、回想シーンに登場するだけで、所在地は特定されていません。
『ムーン』のモデルとなった猫の名前は、”ウシコ”
『ムーン』にはモデルとなった猫が実在し、名前を『ウシコ』という、スタジオジブリにいる猫です。
白毛に黒の斑点模様がある”牛のように丸い猫”ということから、名付けられました。
”耳をすませば”以外のジブリ映画にも、モデル猫として起用されています。
- 耳をすませば:『ムーン』
- 猫の恩返し:『ムタ』
- 借りぐらしのアリエッティ:『ニーヤ』
『バロン』と『ルイーゼ』の悲しい結末物語
魔法使いの血を引く職人たちの工房で、『バロン』と『ルイーゼ』が生まれました。
『バロン』と『ルイーゼ』は、見習いの貧しい職人が、【人を愛する気持ち】を込めた、対の人形です。
”地球屋”のおじいさんが『バロン』に一目惚れ
”地球屋”のおじいさんが『バロン』と出会ったのは、は戦前のドイツへ留学中のころ。
持ち主に、「バロンを譲ってほしい」とお願いするも、一度は断られます。
理由は、対の人形『ルイーゼ』が修理中で、”二体を引き離すことはできない”ため。
それでもあきらめきれない、”地球屋”のおじいさんは…。
”地球屋”のおじいさんの彼女が現れるが…
おじいさんの元に、当時付き合っていたドイツ人の彼女が現れます。
そこで、「私が修理が終わった『ルイーゼ』を買い取って、いつか『バロン』と引き合わせます」と持ち主に説明し、『バロン』を譲ってもらえたのです。
しかしその後、第二次世界大戦が始まり、『バロン』と『ルイーゼ』…おじいさんと当時の彼女との再会は叶わなくなりました。
会えなくても、ずっと『バロン』は宝物ニャ。
なんだか、切ないニャ><
スピンオフ映画『猫の恩返し』にも登場していた!
ジブリ映画の中で唯一、スピンオフ映画として作られた【猫の恩返し】。
”耳をすませば”の続編であると、ジブリから公式に発表されています。
スピンオフというだけあって、2つの作品には共通する人(猫)物が登場しますが、違う部分もあるようです。
①『ムタ』
”耳をすませば”で『ムーン』そっくりな猫が登場しますが、この映画での名前は『ムタ』です。
本名は、”ルナルド・ムーン”。
本編では、『バロン』の相棒として主人公を助ける役です。
②『バロン』
【猫の事務所】所長を務める紳士的な男爵で、名前は”耳をすませば”と変わらず『フンベルト・フォン・ジッキンゲン伯爵』(以下:バロン)です。
本編では二足歩行で行動し、主人公・ハルを助ける役で、人形ではありません。
主人公との出会い方は、”耳をすませば”での出会い方に似ています。
『猫の恩返し』は、主人公・雫が”バロン”との出会いによって書いた小説
”猫の恩返し”のストーリーは前作”耳をすませば”の中で、【主人公・雫がバロンとの出会いがきっかけで書いた小説】という設定です。
なぜなら、”耳をすませば”の続編とされているため。
将来のことで悩んでいた雫は、”ヴァイオリン制作”の夢に向かって進む天沢聖司やバロンに出会ったことで、小説家の道を考えるように。
”地球屋”のおじいさんの勧めもあって、バロンが活躍する小説を書き始めます。
そのため、”猫の恩返し”に同じキャラクターが登場するのですね。
原作は柊あおい先生の『バロン 猫の男爵』
スピンオフ映画『猫の恩返し』の原作は、漫画家:柊あおいさんの作品です。
当時、スタジオジブリ本社近くにお住まいだった柊先生は、宮崎駿監督と家族ぐるみのお付き合いだったとか。
そこで宮崎監督から、「猫のキャラクターを使った物語を書いてほしい」と依頼して実現しました。
”柊あおい”先生は、少女漫画雑誌『りぼん』で連載してました。
ちなみに私は、【星の瞳のシルエット】世代です。(年齢が…笑)
まとめ:”耳をすませば”に登場の猫の名前『バロン』と『ムーン』は、愛称だった
今回は、ジブリ映画『耳をすませば』に登場する猫の名前について、ご紹介しました。
映画に登場する猫の名前は、『バロン』『ムーン』『ルイーザ』の3匹。
”耳をすませば”の映画内では出会うことはありませんが、スピンオフの『猫の恩返し』では、しっかり共演しています。
2つの映画、登場猫物は同じでも、性格や役どころは全く違うところも見どころです。
映画の見比べをしてみると、新しい発見があるかもしれませんね。
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